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マレーシア永住権の取得は難しい?長期滞在ビザとの違いを解説
マレーシアは温暖な気候や物価の安さから、人気の移住先のひとつです。近年では、子育てのしやすさから、若手層を中心に長期滞在を希望する人が増えていますが、その中には永住権を取得したいと考える方もいるでしょう。
しかし、マレーシアの永住権は取得が難しいことで知られており、取得を成功するには事前準備や対策が欠かせません。この記事では、マレーシアの永住権の取得条件や手続きの流れ、長期滞在ビザとの違いについて解説します。
マレーシアの永住権はなぜ取得が難しいのか
マレーシアの永住権は、他国と比べても取得条件が非常に厳しく、日本人にとっては現実的とは言い難い制度です。ここでは、申請の対象となる条件や手続きの流れ、取得後のメリット・デメリットを解説します。
永住権を申請できる主な条件と対象者
マレーシアの永住権は、下記のような特定の条件を満たす場合にのみ申請が認められます。
主な対象者
- マレーシア人と結婚している外国人
- 長年マレーシアに貢献してきた外国人(経済、社会などで顕著な実績がある場合)
- インドネシア出身のイスラム教徒(特例的に比較的取得しやすい)
多くの日本人の場合、マレーシア人と結婚した人が対象です。ただし、結婚をしたとしても必ず取得できるとは限りません。配偶者との結婚生活が長期間継続していることや、その他の細かな要件を満たす必要があります。
日本人が永住権を取得するまでの流れと所要期間
マレーシア人配偶者を通じた永住権取得は、取得までに多くのステップと長い年月を要します。また、将来的に法律や制度が変わる可能性もあるため、事前の確認と慎重な準備が必要です。
取得までの主な流れ
- 配偶者ビザの取得:結婚後、マレーシア人配偶者のスポンサーでビザを取得します
- 6ヶ月の待機期間:不正防止のため、最初の6ヶ月間は永住申請資格にカウントされません
- 5年間のビザ更新:6ヶ月経過後、5年間連続で配偶者ビザを更新し続ける必要あります
- 申請書類の準備・提出:マレー語の申請書、証明書、公証済みの書類などを用意します。そのほか、マレーシア人配偶者の誓約書も必要です
- 配偶者のインタビュー(移民局):結婚の実態や生活状況などについて質問を受けます
- 申請者と配偶者の警察面談:犯罪歴や身元確認のための審査が行われます
- 許可通知の受領とIC発行:承認されると、レッドIC(永住者用身分証)が発行されます
所要期間の目安
- 配偶者ビザ取得〜申請資格まで:約5年6ヶ月
- 申請〜永住権取得まで:約2〜3年
- 合計:約8年〜9年
このように、永住権を取得するには、非常に長い期間を要します。また、これだけの期間と手間をかけても却下されるケースもあるため、根気が必要です。
永住権取得後のメリットとデメリット
マレーシアで永住権を取得すると、就労や生活面で多くの利点がありますが、一方で外国人枠から外れることによるリスクもあります。メリットとデメリットの両方を理解したうえで判断することが大切です。
メリット
- マレーシアでの就労が自由になる:就労ビザなしでマレーシア国内の企業に勤務可能
- 不動産の購入条件が緩和される:外国人向け最低購入額の制限がなくなることも
- 生活上の手続きが簡単になる:SIMカードや銀行口座開設時のデポジット不要
デメリット
- 給与水準の引き下げリスク:外国人雇用者枠から外れるため、企業がマレーシア人と同水準の給与設定をする可能性がある
- 取得までの精神的・金銭的負担:長期間にわたる不透明な審査、対応のばらつきなどによりストレスが大きい
このように、永住権を「ゴール」として考えるのではなく、取得後の生活や就労条件まで見据えた判断が必要です。
永住権よりも長期滞在ビザ(MM2H・PVIP)の方が現実的な理由
マレーシアで長期的に暮らすことを考える場合、永住権の取得にこだわるよりも、取得ハードルが比較的低い長期滞在ビザ制度の活用がおすすめです。ここでは、長期滞在ビザのMM2HとPVIPについて解説します。
MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)の基本情報
MM2Hは、経済力のある外国人を対象とした長期滞在ビザ制度です。一定の収入や定期預金残高などの条件を満たす必要がありますが、最大20年間の滞在が可能になります。また、家族の帯同も認められるため、永住に近い生活を送ることが可能になります。
主な特徴
- 有効期間: 20年間(5年ごとの更新制)
- 預金要件: 約1億5000万円(USD100万)※プラチナカテゴリーの場合
- 年齢要件: 25歳以上
- 就労: 主申請者に限り就労可能
- 滞在義務:50歳以上なし、49歳以下は年90日以上の滞在義務あり
PVIP(プレミアム・ビザ・プログラム)の柔軟な条件
PVIPは2022年に導入された比較的新しい長期滞在制度で、MM2Hよりも柔軟性が高い点が特徴です。MM2Hと異なり、年齢制限や滞在義務がなく、就労や事業活動も認められています。
必要な定期預金額はRM100万(約3400万円)で、家族の帯同も認められています。その自由度の高さから、ビジネス目的でマレーシアに長期滞在したい方にとっては魅力的な選択肢といえるでしょう。
主な特徴
- 有効期間: 最大20年間(5年ごとに更新)
- 預金要件: RM100万(約3400万円)の定期預金
- 収入要件: 月収RM4万以上または年収RM48万以上
- 年齢制限: なし
- 就労・事業活動: 本人・配偶者ともに可能
- 滞在義務: なし
永住権との違いと使い分けのポイント
永住権は一度取得すれば更新不要ですが、取得までの道のりが長く不確実です。一方、MM2HやPVIPは一定条件を満たせば比較的スムーズに取得できます。
|
比較項目 |
永住権 |
MM2H |
PVIP |
|---|---|---|---|
|
更新の必要性 |
不要 |
必要(5年ごと) |
必要(5年ごと) |
|
取得難易度 |
非常に高い |
中程度 |
高額だが申請しやすい |
|
取得までの期間 |
最短で約8年 |
数ヶ月〜1年程度 |
数ヶ月〜1年程度 |
|
就労可否 |
可能 |
主申請者のみ可 |
配偶者も含め可能 |
|
滞在義務 |
なし |
年齢によって異なる |
なし |
永住権や長期滞在ビザ申請の注意点
永住権や長期滞在ビザの申請は、書類準備から手続き完了まで多くの時間と労力を要します。ここでは、申請にあたって事前に知っておきたい注意点をお伝えします。
書類の不備がないようにする
マレーシアでは、書類に対する審査が非常に厳格です。記載内容に不備や誤りがあると、申請が却下される可能性もあります。
配偶者ビザや永住権、長期滞在ビザのいずれを申請する場合でも、事前に必要書類を正確に把握し、認証や公証も含めて適切に準備することが求められます。提出書類の多くはマレー語での対応が必要なため、専門家のサポートを受けるのが安心です。
信頼できる支援機関を選ぶ
永住権や長期滞在ビザの申請を代理してもらう場合は、マレーシア政府に認可された専門のエージェントや行政書士法人を選びましょう。
料金体系やサポート体制、実績などを確認し、進捗報告を定期的に行ってくれる信頼性の高い支援者を選ぶことが成功の鍵となります。日本語対応の有無や、現地とのネットワークも確認しておきたいポイントです。
まとめ
マレーシアの永住権は取得のハードルが高く、多くの時間と労力を要します。一方、長期滞在ビザを活用すれば、現実的かつ安定した海外生活を実現することが可能です。ライフスタイルや目的にあわせて選択しましょう。
さむらい行政書士法人では、海外ビザや永住権に関するご相談から、申請書類の作成、専門機関との連携まで、トータルでサポートしております。マレーシア移住をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応







