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マレーシアのガーディアンビザとは?制度の概要や申請条件を解説
近年、英語教育や国際的な環境を求めて留学先としてマレーシアの人気が高まっています。一方、子どものマレーシア留学に保護者が同行するケースでは、「ガーディアンビザ(正式名称:ソーシャルビジットパス)」の取得が必要です。
しかし、この制度は変更も多く、申請時の注意点も少なくありません。本記事では、ガーディアンビザの概要や申請条件について解説します。
ガーディアンビザとは?目的と仕組みを解説
マレーシアで子どもの留学に同行する保護者向けに発行されるのが「ガーディアンビザ(ソーシャルビジットパス)」です。ここでは、その対象や仕組みについて見ていきましょう。
ガーディアンビザの定義と対象者
ガーディアンビザとは、マレーシアに留学する子どもに同行する保護者向けのビザです。正式には「ソーシャルビジットパス」と呼ばれます。
申請対象は、通常6歳以上の学生ビザを取得した子どもを持つ親や法定後見人で、ビザは子どもの入学が決定し、学生ビザが許可された後に取得可能となります。
申請の流れと注意点
ビザの申請は、多くの場合、子どもが通う学校が代行します。申請費用自体は発生しないこともありますが、保険料や手続きのコンサルティング費用などは別途必要になることがあります。加えて、マレーシア移民局の規則は州ごと・時期ごとに異なり、急な変更もあるため、最新情報の確認が非常に重要です。
父親もビザ取得可能?制度の変化に注目
これまでガーディアンビザは基本的に母親1名のみが取得可能とされてきました。一方、近年では条件付きで父親の申請が可能になる動きも報告されています。ただし、地域や移民局によって対応に差があり、場所によっては申請が受け入れられないケースもあるため、事前確認が必須です。
申請条件と財務要件に関する注意点
ガーディアンビザの取得には、年齢要件以外にもいくつかの条件があり、特に財務能力の証明がビザ取得のポイントです。
年齢・滞在・就労に関する基本条件
年齢・対象機関について
ビザ申請の対象となる子どもは6歳以上である必要があります。対象となる教育機関はマレーシア政府から認可を受けた学校であり、語学学校や短期プログラムでは対象外となることがあります。
滞在期間について
ガーディアンビザの性質上、保護者は長期滞在が前提となりますが、滞在日数の明確なルール(たとえば年間60日以上の滞在義務など)は公式には定められていません。ただし、滞在実績が極端に少ない場合は更新が認められない可能性もあるため注意が必要です。
就労について
ガーディアンビザでの就労は禁止されています。ただし近年では、現地企業に属さない「リモートワーカー」の父親に対して、ビザが認められたというケースも報告されています。
しかし、あくまで例外的な対応であり、公式ルールとして明文化されているわけではないため、申請前に必ず確認しましょう。
財務証明要件について
ガーディアンビザの申請では、保護者が十分な財務的基盤を持っていることの証明が求められます。2024年10月以降、マレーシア政府はこの要件を大幅に引き上げ、3ヶ月間で30,000MYR(約105万円)以上の残高が銀行口座にあることを示す必要があります。これは従来の8,000〜10,000MYRと比べて約3倍に当たります。
さらに、申請者が父親の場合はより厳格な基準が適用されることがあり、月収がRM40,000〜50,000(約140万円〜175万円)という情報も報告されています。母親については、3ヶ月通して15,000MYR以上の残高が必要とされた事例もあり、性別によっても条件が異なる場合があるのが現状です。
また、銀行残高証明は、申請直前(1週間以内)に取得したものが求められるケースがあるため、タイミングにも細心の注意が必要です。日本の銀行で発行された証明書には英訳や公的な認証が必要な場合もあります。
申請に必要な書類と準備のポイント
ガーディアンビザの申請には多くの書類が必要となり、準備には一定の時間がかかります。以下に、主な書類と準備のポイントをご紹介します。
基本的な必要書類と内容
ガーディアンビザの申請にあたっては、以下のような書類が必要になります。なお、学校や移民局の所在地によって、求められる書類や形式が異なることもあるため、必ず事前に確認を行ってください。
- 証明写真:パスポートサイズ(子ども1人につき2枚、保護者は1枚)
- 医療保険証書:子どもと保護者のマレーシア現地の医療保険加入証明
- 家族関係証明書類:英文の出生証明書、婚姻証明書、戸籍謄本(日本大使館発行)
- パスポート関連:保護者の全ページコピー、有効期限12ヶ月以上、学生と保護者のパスポートの大使館認証
- 学校書類:オファーレター、学費領収書、教育省(MOE)からの承認(学校側が取得)
- 財務証明:英文の銀行残高証明、取引明細書(3ヶ月分)、会社からの就労証明、給料明細(いずれも社印が必要)
- 居住証明:賃貸契約書(印紙付き)、公共料金の請求書、住居写真(部屋番号や家族が写っているもの)
日本の銀行を利用する場合は、書類の英訳と公証が必要になるケースがあり、またマレーシアの銀行ではオンライン明細に支店で印をもらうことが可能です。いずれにしても、証明の形式や言語には厳格なルールがありますので、確認を怠らないようにしましょう。
申請時期・費用・代替制度の検討について
申請には多くの書類が必要となるため、出発の3ヶ月前には準備を開始するのが理想的です。特に、銀行関係や日本大使館の手続きは時間がかかることが多いため、余裕をもって進めることが成功のカギとなります。
審査にかかる期間は、書類が揃ってから新規申請で3〜4営業日、更新で1〜2営業日が目安とされています。申請そのものにかかる費用は少額または不要な場合もありますが、保険料・翻訳・公証・申請代行費用などを含めると、一人あたり数万円〜数十万円の費用が発生することがあります。
また、ガーディアンビザ以外にも、MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)ビザを利用して家族で滞在する選択肢や、保護者がマレーシアの企業で就労ビザを取得し、配偶者や子どもが帯同ビザで滞在する方法もあります。どのビザが自分たちに合っているのか、目的と期間に応じて制度を比較検討することが重要です。
まとめ
マレーシアのガーディアンビザ(ソーシャルビジットパス)は、子どもの留学に同行する保護者にとって重要な制度ですが、その申請には多くの条件と書類が求められます。特に近年では、父親の取得可能性や財務要件の引き上げなど、制度の変化も見逃せません。
各家庭の状況や目的に応じて、最適なビザの選択や申請準備を進めるには、最新情報に基づいた専門的なアドバイスが不可欠です。
さむらい行政書士法人では、海外での滞在ビザや留学同行ビザの申請に関するご相談を承っております。制度の複雑さに不安を感じている方は、気軽にご相談ください。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応







