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台湾で会社を設立する場合のメリットは?資本金は必要?手続きについて解説
台湾で会社を設立したい方の中には、
「メリットは?」
「設立するための手続きの手順は?」
「費用は?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、台湾での会社設立について詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
台湾で会社設立をするメリットはある?
ここでは、台湾で会社設立をするメリットについて見ていきましょう。
台湾経済の現状について
台湾はビジネスの拠点として注目されており、日系企業の進出先としても人気の国の1つです。
以下で、台湾経済の現状について解説します。
アジア圏で成長が加速する台湾市場
アジア圏で成長を続ける台湾市場は、ビジネスの拠点として魅力的であり、多くの企業が進出しています。
近年の台湾経済は安定的に成長しており、2024年の実質GDP成長率は、4.59%と高水準でした。
台湾経済は、特に輸出産業が盛んで、半導体製造は世界でもトップクラスの生産力を誇ります。
加えて、EC市場が急成長しており、今後も拡大が期待されています。
地理的な要因で人気が高い
台湾の地理的な利便性の良さは、進出先として人気が高い要因の1つです。
台湾はアジアのハブとして、スムーズなビジネス展開が期待できます。
台湾は、中国・日本・東南アジア各国にアクセスしやすいのが特徴です。
加えて、台北・台中・高雄などの都市部には、国際的な物流インフラも整備されています。
地理的優位性は、物流や取引において大きなアドバンテージと言えます。
台湾進出のメリット
台湾進出のメリットは、以下のとおりです。
アジアの多国籍企業として活用できる拠点となれる
台湾は、日本・中国・東南アジアと地理的に近く、アクセスしやすいのが特徴です。
台湾へ進出すれば、アジアの拠点としてビジネスを展開できるチャンスがあります。
特に、中国本土や香港などへの進出を検討している場合は、台湾への進出は有利に働きます。
地理的な利便性のよさは、ビジネスを展開する上で大きなメリットの1つです。
法人税が低いため経営しやすい
台湾は、法人税が20%と低いのが特徴です。
加えて、以下の場合には、軽減税率が適用されます。
- 研究開発費:開発費に対する控除を受けられる
- 投資促進措置:法人税の減免措置がある
- 課税所得額が12万元未満:無税
一方、日本の一般的な法人税率は23.2%で、台湾と比べて高めです。
さらに、住民税や事業税などの地方税が追加されます。
法人税の低さは、経営コストの削減が期待できるので、大きなメリットです。
物価が安くコストがかかりにくいため、初期投資も少なく企業にも有利
台湾は比較的物価が安く、事業を行う上でのコストを最小限に抑えられます。
加えて、最低賃金も日本と比べて低いため、人件費も抑えられます。
ただし、専門性の高い職種では賃金は高めの傾向にあるため、注意しましょう。
さらに、前述したように法人税も低いので、企業にとっては、有利な経営が期待できます。
親日国であり、日本と文化が似ている
台湾は親日国として知られており、日本と文化が似ています。
食文化などの生活スタイルに限らず、インフラ整備や交通機関など、日本との共通点が多いのが特徴です。
文化や習慣の違いによる摩擦が少ないので、日本企業への親和性も高いです。
加えて、日本の日用品・アニメ・漫画なども多く流通しています。
欧米圏と比べて、日本人にとってはなじみやすく、生活しやすい国と言えます。
台湾で会社設立するには
ここでは、台湾で会社設立をする方法について見ていきましょう。
台湾の法人形態を決定する
以下で、台湾の会社法上における会社形態と特徴について解説します。
法人形態の比較一覧
以下は、法人形態の比較一覧表です。
|
形態 |
用途 |
責任 |
最低資本金 |
設立期間 |
|---|---|---|---|---|
|
無限公司 |
小規模事業 |
無限責任 |
なし |
約2〜3週間 |
|
両合公司 |
パートナーシップ事業 |
無限責任 有限責任 |
なし |
約3〜4週間 |
|
有限公司 |
中小規模事業 |
有限責任 |
10万台湾元 |
約2〜4週間 |
|
股份有限公司 |
大規模事業・株式公開 |
有限責任 |
50万台湾元 |
約4〜6週間 |
上記以外の形態では、日本企業の「支店」や「駐在員事務所」を設立することも可能です。各形態の詳細については、以下で解説します。
無限公司(Unlimited Company)
「無限公司」は、出資者が連帯して無限責任を負う形態です。
いわゆる合名会社と呼ばれる会社の種類で、小規模事業や出資者全員が親族などの企業に適しています。
資本金の規定がなくコストを抑えられるため、設立が簡単なのが特徴です。
ただし、出資者が無限責任を負うリスクもあるので、注意しましょう。
両合公司(Limited Partnership)
「両合公司」は、出資者が無限責任と有限責任の両方で構成される形態です。
無限責任の出資者は、会社債務について連帯して無限責任を負います。
一方で、有限責任の出資者は、出資額につき責任を負います。
資本を外部から調達して、少数の経営者が運営するような事業に適しており、いわゆる合資会社と呼ばれる会社の種類です。
「両合公司」は、資本調達が比較的容易で、経営責任を分担できます。
ただし、無限責任の出資者にリスクが集中するため、注意しましょう。
有限公司(Limited Company)
「有限公司」は、出資者が有限責任を負う形態です。
いわゆる合同会社と呼ばれる会社の種類で、中小規模事業の企業に適しています。
最低資本金額が10万台湾元と安く、比較的容易に設立できるのが特徴です。
加えて、出資者は出資額に応じた責任のみを負うので、リスクを限定できます。
ただし、株主数に制限があるため、事業拡大を予定している方は注意しましょう。
股份有限公司(Company Limited by Shares)
「股份有限公司」は、株式を発行して資金調達ができる形態です。
出資者は、引き受けた株式に応じて有限責任を負います。
いわゆる株式会社と呼ばれる会社の種類で、大規模事業の企業に適しています。
「股份有限公司」は、株主数に制限がなく、資金調達が容易にできるのが特徴です。
ただし、設立の手続きが複雑で、運営コストが高くなる傾向にあるため、注意しましょう。
法人会社設立の手続きの流れ
会社設立における手続きの大まかな流れは、以下のとおりです。
1.台湾法人の会社名(商号)・業務内容の仮申請をする
はじめに、設立する会社名と業務内容の仮申請をします。
使いたい社名が重複していないかを確認するために、経済部工商カウンセリングセンター(旧経済部中部弁公室)にて、事前審査を受けます。
社名は自由に選択できますが、すでにほかの企業で使われている社名は使えないので、注意しましょう。
重複してしまった場合に備えて、あらかじめ3〜5つ程度の候補名を用意しておくのがおすすめです。
社名の事前審査と同時に、営業項目の仮申請を行います。
営業項目は、日本の定款における業務内容にあたる項目です。
2.外国法人設立許可申請
次に、経済部投資審議司にて、外国人投資申請(FIA)を行います。
外国法人や外国人の取締役であっても、台湾の居住者である必要はなく、100%外国資本の法人設立ができます。
登記に必要な最低人数は、以下のとおりです。
- 有限会社:取締役1名
- 株式会社:取締役3名・監査役1名
詳細については、経済部投資審議司のホームページ(こちら)から確認できます。
3.資本金送金のための口座開設・送金をし、資本金の審査が行われる
次に、台湾の銀行で口座の開設をします。
手続きは、代表取締役などの責任者が実際に台湾を訪れて行わなければなりません。
現段階では正式に会社設立をしているわけではないため、「会社名+準備室」などの名称で口座を開設してください。
法人設立の公文書が届いたら、公文書の内容に従って、日本から資本金を送金します。
送金後は、銀行が公文書正本に資本金金額を承認した旨を記載します。
承認された公文書正本と送金受領書を受け取ったら、政府の資本金審査を受けましょう。
4.会社設立に関する商業登記申請を行う
次に、会社登記の申請を行います。
手続き先は、資本金の額によって以下のように異なるため、注意しましょう。
|
資本金の額 |
手続き先 |
|---|---|
|
5億NTD以上 |
経済部商業発展署 |
|
5億NTD未満 |
・台北市:台北市商業処 ・新北市:新北市政府経済発展局 ・台中市:台中市政府経済発展局 ・台南市:台南市政府経済発展局 ・高雄市:高雄市政府経済発展局 ・桃園市:桃園市政府経済発展局 ・そのほか:経済部商工カウンセリングセンター |
審査で問題がなければ、法人番号である「統一編號」が発行され、正式な法人格が付与されます。
加えて、再度銀行を訪れて、口座に付けた「準備室」の名称を、正式な会社名の口座に変更してください。
5.管轄国税局との面談
法人格を取得したら、管轄の国税局で面談を受けます。
面談の内容は、簡単な自己紹介や業務内容の説明などです。
同時に、台湾での納税で必要となる「税籍番号」と「統一發表」を取得します。
年間の売り上げが80万NTDを超える場合は、VATの登録も必要です。
全ての手続きが完了し、問題がなければ、台湾での営業活動をスタートできます。
6.就労ビザ(居留ビザ)の取得
外国人の方が台湾で働くには、就労ビザ(居留ビザ)が必要です。
就労ビザは、目的に応じて複数の種類があります。
ただし、会社の規模などによって、申請条件が異なるので、注意しましょう。
ビザの手続き先は、住所地を管轄する台北駐日経済文化代表処・弁事処です。
必要書類を準備して、窓口に提出してください。
審査で問題がなければ、ビザが発給されます。
ただし、台湾のビザ申請は、年々審査が厳しくなっています。
会社を設立できたとしても、ビザがなければ台湾では働けないため、注意しましょう。
申請は自力でも行えますが、専門家に依頼・相談するのがおすすめです。
台湾で会社の設立にかかる費用
以下で、台湾で会社の設立にかかる費用について解説します。
費用一覧
主にかかる費用は、以下の表のとおりです。
|
項目 |
費用の目安(1NTD=4.8円で計算) |
|---|---|
|
資本金 |
・有限公司:10万NTD〜(約48万円) ・股份有限公司:50万NTD〜(約240万円)
※規模に応じて設定が可能です。 |
|
会社登記関連費用 |
3,000〜10,000NTD(約14,000〜48,000円)
※規模や資本金の額によって変動します。 |
|
オフィス賃料 |
3万〜10万NTD(約14〜48万円)
※エリア・物件の広さ・グレードによって大きく変動します。 |
|
ビザ申請手数料 |
1万円程度(居留ビザ) |
|
人件費 |
最低賃金(2025年1月1日〜)は、以下のとおりです。
・月額:28,590NTD(約137,000円) ・時給:190NTD(約912円) |
|
法人税 |
20% |
|
代行費用・サポート料 |
代行業者やサービス内容によって異なります。 |
最低資本金額や法人税が決まっているので、注意する
会社の種類や規模に応じて、最低資本金の額や法人税は決まります。
法人形態ごとの資本金額は、以下の表のとおりです。
|
形態 |
最低資本金 |
|---|---|
|
無限公司 |
規定なし |
|
両合公司 |
規定なし |
|
有限公司 |
10万NTD〜 |
|
股份有限公司 |
50万NTD〜 |
台湾の法人税は、20%です。
さらに、以下のような軽減税率が適用されるケースもあります。
- 研究開発費:開発費に対する控除を受けられる
- 投資促進措置:法人税の減免措置がある
- 課税所得額が12万元未満:無税
賃料は地域によっても異なる
賃料は、地域によって変動します。
特に、台北市などの都市部は賃料が高い傾向にあるため、注意が必要です。
賃料を抑えたい場合は、地方都市を選択することも検討しましょう。
加えて、シェアオフィスやバーチャルオフィスなどを利用するのもおすすめです。
近年の台湾は、全体的に物価が高騰しています。
コスト面を重視したい企業は、入念な費用計画を立てる必要があるため、注意しましょう。
そのほか会社設立で気になること
ここでは、会社設立で気になることについて見ていきましょう。
気になることQ&A
台湾での会社設立に関連する、気になることQ&Aは、以下のとおりです。
Q.会社の設立までにかかる期間はどれくらいですか?
期間は、設立する法人形態によって異なります。
目安は、2週間〜6週間程度です。
準備期間なども考慮すると、6週間以上かかる可能性があります。
スムーズに各種手続きをするためにも、計画的に準備を進めましょう。
加えて、ビザ申請にかかる期間は、1週間程度です。
審査状況によっては、想定以上の時間を要するケースもあるため、注意してください。
Q.事前の現地調査はした方がよいですか?
台湾進出を成功させるには、事前に現地の市場調査などを行うことが重要です。
日本国籍の方は、査証免除の対象です。
収入を伴わない短期間(90日)の視察であれば、査証が免除されます。
最新のトレンドや消費動向などをキャッチできるように、現地調査を行える環境を整備しておきましょう。
Q.支店を設立する場合は資本金などの制限はありますか?
台湾では、日本法人の支店も設立できます。
資本金などの規定がなく、現地法人と比べて、設立の手続きは簡単です。
ただし、親会社の財務情報の提出を求められるため、注意しましょう。
加えて、支店は台湾での法人格がありません。
原則として、日本法人と同じ事業内容に限られます。
進出形態としては、現地法人を選択するのが一般的です。
支店を選択するケースとしては、金融・建設・商社などの特殊な業種などが挙げられます。
台湾で会社を設立するなら専門家へ相談しましょう
台湾で会社設立を検討している方は、専門家に相談・依頼するのをおすすめします。
台湾での会社設立は、手続きが複雑です。
さらに、法人形態や会社の規模によっても、手続きや書類などが異なります。
現地での会社設立を成功させるには、各形態の条件や設立のプロセスを正しく理解し、計画的に準備を進める必要があります。
加えて、近年の台湾の就労ビザは、審査が厳格化しており、取得の難易度は高めです。
専門家に依頼すれば、設立のサポートだけでなく、ビザ申請のサポートも受けられます。
スムーズに各種手続きを進めたい方は、専門家に相談・依頼しましょう。
まとめ
この記事では、台湾での会社設立について解説しました。
台湾は、地理的に有利な要素があり、日本企業の進出先としても注目されています。
ただし、会社設立までのプロセスは複雑で、準備には時間を要します。
加えて、就労ビザの申請も審査が厳しく、取得の難易度は高めです。
台湾進出を検討している方は、専門家に相談・依頼して、サポートを受けることをおすすめします。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応







