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タイでの法人設立とは?現地法人の設立手続きと外資規制・費用のポイントを解説

東南アジアの中でも経済成長が安定しているタイは、日本企業の進出先として高い人気を誇ります。

一方、タイでは外国人事業法(FBA)などの外資規制が存在するため、現地法人の設立を検討する際は事前に設立の流れを理解しておくことが必要です。

そこで本記事では、タイで現地法人を設立する際の基本や、外資規制・費用などの主なポイントを解説します。

タイで現地法人を設立するメリットと注意点

現地法人を設立する主なメリットは以下の通りです。

  • 事業の自由度が高い(自社名義での営業・雇用が可能)
  • 現地での信用力を得やすい(銀行口座開設や契約締結が容易)
  • BOI認可を受けることで外資100%運営も可能

一方、注意点としては法人設立後に次の法的義務も発生します。

  • 税務・社会保険・労働関係の届出義務
  • 年次会計監査の実施(全法人共通)
  • 定期的な登記・報告の遵守義務

法的義務を怠ると罰金や行政処分の対象となるため、現地法や税務に精通した専門家との連携が欠かせません。事業規模や業種に応じて最適な進出形態を早期に検討することが、安定した経営基盤づくりの第一歩となります。

現地法人設立の流れと必要手続き

タイで現地法人を設立する際には、会社法に基づき定められた手続きを順を追って行う必要があります。ここでは、一般的な非公開株式会社(Private Limited Company)の設立を例に、主なステップを解説します。

商号予約と基本定款(MOA)の登記

設立の第一歩は、商務省商業開発局(Department of Business Development:DBD)への商号予約です。申請はオンラインまたは窓口で行い、承認された商号は30日間のみ有効です。

この期間内に基本定款(Memorandum of Association:MOA)の登記を完了しなければ無効となるため、迅速な対応が求められます。

MOAには、以下の内容を明記する必要があります。

  • 会社名および所在地
  • 事業目的
  • 資本金および発行株式数
  • 発起人の氏名・住所・出資株式数

発起人は最低2名必要(2023年の民商法典改正により3名から2名へ変更)で、登記料は資本金に応じて変動しますが、おおむね500バーツ前後が目安です。

設立総会から登記完了まで

MOA登記後、発起人による設立総会(Statutory Meeting)を開催します。この総会では以下の事項を決定します。

  • 株式の引き受けおよび払込の承認
  • 取締役および監査人(タイ人公認会計士に限る)の選任
  • 会社定款および業務規程の承認

総会後、取締役は3か月以内に最終登記を行わなければなりません。登記の際には、株式払込額の25%以上が支払われている必要があります。

行政手数料は5,000バーツが基本で、すべての手続きが完了すると会社が正式に成立します。通常、書類が整っていれば設立まで1か月〜1か月半程度で完了します。

設立後の登録・届出関係

登記が完了した後は、事業運営に必要な登録・届出を速やかに行う必要があります。主な手続きは次の通りです。

手続き項目

登録先

登録期限・条件

付加価値税(VAT)登録

税務署

年間売上が180万バーツを超えた日から30日以内に登録義務発生

社会保険登録

社会保険事務所

最初の従業員採用から30日以内

労働者補償基金登録

労働省

労働者雇用時に登録義務

 

これらの登録を怠ると罰金が科される可能性があるため、登記後も期限管理が重要です。

また、事業内容によっては営業許可(特定業種)や外国人事業許可(FBL)など、追加の許認可が必要となる場合があります。設立直後から運営までを見据えて、専門家のサポートを受けながら進めることが望ましいでしょう。

外資規制と資本金に関する注意点

タイで会社を設立する際、日本企業が特に注意すべきなのが外国人事業法(FBA)による外資規制です。ここでは、FBAの基本的な考え方と、設立に必要な資本金や労働許可のルール、そして外資企業に有利な「BOI制度」について説明します。

外国人事業法(FBA)とは? ― 外資出資の制限を定める法律

FBAでは、外国人または外国資本が50%を超える企業を「外国法人」とみなし、外国人が自由に参入できる業種を制限しています。

業種は以下の3つのリストに分類され、リストごとに規制内容が異なります。

リスト区分

内容

リスト1

外国人が一切参入できない業種

農業、土地取引など

リスト2

国家安全保障・文化に関わる業種(閣議承認が必要)

メディア、運輸など

リスト3

競争力保護のため制限される業種(商務省の許可=FBLが必要)

サービス業、小売・卸売など

 

例えば、製造業や輸出業は原則自由に設立できますが、小売業やサービス業などは原則として許可制です。こうした事業を行う場合は、商務省から外国人事業許可(FBL)を取得するか、タイ人資本51%以上の合弁会社として設立することが必要です。

最低資本金と労働許可 ― 外資企業が守るべき基準

外資企業の最低資本金は、出資比率や業種によって次のように定められています。

企業区分

最低資本金

主な対象

一般の外資系企業

200万バーツ以上

ほとんどの業種に適用

規制対象業種(FBA対象)

300万バーツ以上

サービス・小売など許可制業種

 

また、外国人(日本人)がタイで働くためには、次の条件を満たす必要があります。

  • 外国人1名あたり200万バーツ以上の払込資本金
  • 外国人1名につき4名以上のタイ人雇用
  • 日本人駐在員の最低月額給与:50,000バーツ以上

これらはBOI認可企業を除き、原則としてすべての外資企業に適用されます。特に労働許可更新時にも同条件が求められるため、資本金計画と雇用体制を設立前に整えることが重要です。

BOI(投資奨励制度)を活用すれば外資100%での運営も可能

外資企業がより自由に事業を行いたい場合、BOI(タイ投資委員会)の投資奨励制度を活用する方法があります。

BOI認可を受けると、以下のような優遇措置を受けられます。

優遇内容

概要

外資規制の免除

FBAの許可が不要となる場合があり、外資100%出資も可能。

税制優遇

法人税の免除・減免(最長13年間)や関税免除など。

土地所有の許可

外資でもBOI認定地に限り土地所有が認められる。

ビザ・労働許可の緩和

外国人雇用時の条件(タイ人4人雇用など)が緩和される。

BOI申請は事業単位で行われ、最低投資額は100万バーツ以上(土地代・運転資金を除く)が原則です。申請には業種や技術移転などの審査があり、設立前の段階から申請可否を確認しておくことがポイントです。

まとめ

タイでの法人設立は、進出形態の選択から登記・許認可まで多くのステップを伴います。特に外資規制や資本金要件、労働許可に関する条件を理解しないまま進めると、後々の運営に支障をきたす可能性があります。

現地の制度を熟知した専門家の助言を得ながら、自社の事業計画に最適な形態・スキームを選択することが、タイ進出への第一歩といえるでしょう。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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